Couch Potato

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狩野舞子 怪我に泣かされた天才

本日2018年5月2日の黒鷲旗を以て引退となった狩野舞子

引退を惜しむべく彼女が全日本で輝いた最初で最後の年、2009年の映像を見返して感慨深くなったのでちょっと狩野の歴史を振り返ります。

木村沙織以上の逸材?

狩野が初めて全日本に登録された2004年、彼女はまだ中学3年生。

アテネ五輪を目指していた当時の全日本は吉原知子佐々木みき高橋みゆき竹下佳江成田郁久美大山加奈栗原恵木村沙織などなど、本当にスター軍団でした。

そんな中で最年少かつ中学生、しかも高身長でレシーブも上手いという狩野舞子は一気に世間の注目を集めました。

アテネには当然選ばれませんでしたが・・・。

当時から木村沙織以上の大型で、守備もよかったため「才能はメグカナ木村を超える」と評されていました。

怪我との戦い

春高にはバレー界の名門、八王子実践から出場し、メディアに大注目されたもののこの時から既に腰痛という怪我を抱えていた狩野は思うような活躍ができず、春高でも結果を残すことはできませんでした。

思えばこの時点から、狩野が万全の状態で活躍できた時間ってほんの一瞬だったな・・・。

2008年の北京五輪直前には右足のアキレス腱断裂という重症を負い、北京五輪代表を逃してしまいます。

リハビリを経て復帰した2008-09年Vリーグでは大活躍。

攻守にわたりチームを引っ張り、久光製薬を決勝まで導きます(木村沙織擁する東レに敗れ準優勝)。

そして2009年の全日本で遂に公式戦デビュー。

忘れもしないワールドグランプリ2009のロシア戦。

日本はセッター竹下、ミドルに荒木・庄司、リベロ佐野、そしてサイドは栗原・木村・狩野という、竹下・佐野以外はほぼ185cm以上(庄司は182cm)という超大型の布陣でガモワ率いるロシアを3-1で撃破します。

いやー、この試合はテンションあがりましたよ。

サイドに栗原・木村・狩野ですよ??高さはあるし、なんと言っても華がすごい!!笑

メディアもこの結果に大喜びだったと思いますよ。

この試合、高さで有名なロシアにブロック本数で日本が上回るなんていうミラクルも起こして、本当にこの先が楽しみになる布陣でした。

この時はまさかこれが狩野の全日本での(ほぼ)最後の輝きになるとは思ってもいませんでした・・・。

エースとして期待がかかった2009年のグラチャンの直前に、今度は左足を大怪我し全日本をリタイア。

2010年はリハビリのため全日本に選ばれず、2011年から復帰するもののかつての跳躍力は影をひそめ、山口や新鍋といった新戦力の台頭もありほぼずっと控え。

2012年のロンドンオリンピックでは同じポジションを恐らく争った栗原を蹴落としメンバー入りしたものの、オリンピック本番ではほぼ2枚替え以外出番がなく、得点もたった数得点に終わりました。

結果として銅メダルを獲得しましたが、狩野本人にとっては心から手放しで喜べるメダルだったのかなーと思うこともあります。

セッター転向という博打

ロンドン五輪でアタッカーとしての限界を感じていた狩野に、久光製薬の監督をしていた中田久美が声を掛けます。

「舞子、セッターやらない?」

そこから狩野は超大型セッターとしての全日本入りを目指して大博打に出ます。

経験がものを言うセッターに転向するのです。

185cmの狩野舞子がセッターとして物になれば、セッターのブロック力の無さに泣かされてきた日本の弱点が一気になくなるということもあり、日本中のバレーファンの期待が狩野の背中にのしかかりました。

結果から言うと、セッター狩野は大成せず。

3年間セッター修行を積みましたが、結局試合でスタメンを張れるレベルに達することができず、本人もやる気を失い2015年には一度競技から引退をすることになります。

PFUで納得のいくバレーを

そんな狩野に声をかけたのがPFUブルーキャッツの監督だった寺廻。

「引退した狩野は不完全燃焼だったんじゃないか」

そんな思いで、自分の納得するバレーをしてから引退してほしいと狩野を必死に説得。

アタッカーとして狩野はコートに戻ってくるのです。

PFUでは苦しい時にチームを支えるベテラン枠として、常にコートで大活躍していた全盛期の狩野とは大きく立場が異なっていましたが、それでも常に楽しそうにプレーする狩野が印象的でした。

きっと、やっぱりアタッカーが狩野には合ってたんだろうな。

チームはチャレンジリーグ落ちなど苦しい経験もしましたが、ようやく自分自身で「やりきった!」と思えた狩野は2018年、2度目にして最後の引退を決意しました。

 

大山といい、栗原といい、狩野といい、若くして期待された選手がことごとく怪我で潰れていく姿を見るのは本当に辛かった。

でも、何度怪我しても負けずにコートに帰ってくる大山や栗原、狩野の姿は、常にコートの上で輝いていた木村沙織とはまた違ったメッセージを日本中のバレーファンに伝えたことと思います。

狩野の今後の人生が素敵なものであるように!!

夢を見させてもらってありがとう!